特定技能『介護』とは?日本で介護分野で働くために必要なこと徹底ガイド

日本で永続的に働ける在留資格を得たいと思ったら、介護士もその選択肢に入れてみてほしい。少子高齢化が進む日本では、介護の受け手の増加に反して深刻な介護士不足となっている。その解決策の一つとして期待されているのが、外国人労働者の受け入れだ。この記事では日本で介護士として働くための試験や、得られる在留資格について紹介する。

日本の介護市場について

2018年の調査で、世界一の高齢社会となっている日本。介護の受け手予備軍ともいえる高齢者は増加しているのに、介護の担い手である若者が圧倒的に不足している。そして、この現状を受けて2019年4月に施行されたのが特定技能だ。これにより、一定の専門性・技能を持ち、即戦力となる外国人の受け入れが可能になった。

日本で介護福祉士として働くための4制度

外国人が日本で介護福祉士として働くために、現在4つの制度が整備されている。EPA(経済連携協定)、在留資格「介護」、技能実習、特定技能1号「介護」の4種類だが、それぞれの制度の違いを確認しておこう。

①EPA(経済連携協定)

日本と締結国との経済活動の連携強化を目的とし、インドネシア、フィリピン、ベトナムの3カ国から受け入れている。母国での介護の知識や経験に一定の要件があり、インドネシア、フィリピンは日本語能力試験N5程度以上、ベトナムはN3以上で日本に入国できる。入国後、さらに日本語や介護に関する研修を受けて、介護事業所に雇用される。入国後4年目に介護福祉士の国家資格を受験して、合格すれば在留期間を更新しながら永続的に働けるが、不合格なら帰国しなくてはならない。

②在留資格「介護」

日本の介護福祉士養成学校に通った外国人留学生は、卒業して介護福祉士を取得すると「介護」という在留資格を取得できる。また、この在留期間は更新すれば永続的に働くことができる。ちなみに学校ごとの規則にもよるが、在学時からアルバイトとして雇用されることも可能だ。

介護福祉士養成学校に入学するためには日本語能力検定N2程度以上が必要となる。

③技能実習

技能実習生は入国後、日本語と介護の講習を受けてから、介護事業所で雇用される。制度の 目的は介護技能の修得(技能実習)だが、働きながら学ぶため事業所と雇用関係を結ぶことになる。

入国1年後の学科試験・実技試験に合格すると追加で2年、3年後の実技試験に合格するとさらに2年の実習を受けることができ、5年目に実技試験を受けて実習は終了となり帰国する。もし帰国を希望しない場合には、技能実習期間中に介護福祉士の国家資格を取得すれば、在留資格「介護」に変更して、日本で永続的に働くことができる。また、3年目まで修了した技能実習生は、④で説明する「特定技能1号」に必要な試験が免除される。

④特定技能1号「介護」

2019年4月から始まった新しい制度で、技能水準・日本語能力水準を試験等で確認後、入国する。その後は介護事業所で5年間勤務でき、介護福祉士の国家資格を取得すれば、在留資格「介護」に変更して永続的に働くことができる。

特定技能1号「介護」に必要な試験

新しく始まった特定技能1号「介護」(前章で紹介の④)として入国するためには、①介護技能評価試験と、日本語試験(②国際交流基金日本語基礎テスト又は日本語能力試験N4)及び③介護日本語評価試験の3つの試験に合格することが必要だ。

それぞれの試験について内容を簡単に説明しよう。

①介護技能評価試験

●問題数:全45問
●試験時間:60分
●受験手数料:1,000円程度
●試験科目
 -学科試験:40問
  1.介護の基本(10問)
 2.こころとからだのしくみ(6問)
 3.コミュニケーション技術(4問)
 4.生活支援技術(20問)
 -実技試験:5問
・判断等試験等の形式による実技試験課題を出題
 ▶出題基準

●公式HP: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_000117702.html

②日本語試験(国際交流基金日本語基礎テスト

●問題数:約60問
●試験時間:60分間
「文字と語彙」「会話と表現」「聴解」「読解」の4セクショ
●受験手数料:
 モンゴルMNT78,000、インドネシアIDR400,000、カンボジアUSD22、タイTHB1,000、
 フィリピンPHP1,500、ネパールNPR2,500、ベトナム、ミャンマーは詳細未発表

●サンプル問題:https://www.jpf.go.jp/jft-basic/sample/q01.html
●公式HP:https://www.jpf.go.jp/jft-basic/index.html
 英語:https://www.jpf.go.jp/jft-basic/e/index.html
 インドネシア:https://www.jpf.or.id/id/jftb/
 タイ:https://jfphn.org/japanese-language/

②日本語試験(日本語能力試験N4)

●試験時間:言語知識(文字・語彙)30分、言語知識(文法)・読解60分、聴解35分
●受験手数料:5,500円(税込)

●サンプル問題:https://www.jlpt.jp/samples/pdf/N4-mondai.pdf

●公式HP:https://www.jlpt.jp/index.html
 英語:https://www.jlpt.jp/e/index.html
 簡体字:https://www.jlpt.jp/cn/index.html
 繁体字:https://www.jlpt.jp/tw/index.html

③介護日本語評価試験

●問題数:全15問 
●試験時間:30分
●受験手数料:1,000円程度
●試験科目:
・介護のことば(5問)
・介護の会話・声かけ(5問)
・介護の文書(5問)

公式HP: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_000117702.html

①介護技能評価試験と③介護日本語評価試験の学習テキスト

英語:http://www.jaccw.or.jp/pdf/home/foreign/2020/kaigono_tokutei_ginou_en_20200324.pdf

中国語:https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/000619539.pdf

受験申込手続き

①介護技能評価試験及び③介護日本語評価試験

受験申込方法

1、プロメトリックIDを登録:
http://ac.prometric-jp.com/testlist/nc/nursingcare_japan.html
※プロメトリックIDとは、プロメトリック社が実施している資格認定試験受験に必要なID

2、ログインして試験を予約
https://j6.prometric-jp.com/Reserve/Login?CN=JH&LC=EN

試験日時や会場を選択する。
日本で受験する場合には、あらかじめ規格に準じて用意した顔写真のファイルを入れる。

3、クレジットカードかバウチャーを選択して受験料を支払う。

4、予約完了の確認書を印刷して試験時に持参する。

試験日程(海外試験)
http://ac.prometric-jp.com/shared/schedu/Schedule_JH.pdf

試験日程(国内試験)
http://ac.prometric-jp.com/common_contents/test-dates.html

国際交流基金日本語基礎テスト

受験申込方法

1、プロメトリックIDを登録(http://ac.prometric-jp.com/testlist/jfe/index.html)。ただし、受験料を現金で支払う場合には、試験会場でバウチャーを購入する。

2、試験規約の確認、追加取得の個人情報を入力、テスト日時と会場を選択。

3、クレジットカード払いの場合は、カード情報を入力して受験料を支払う。バウチャー払いの場合は、バウチャー番号と有効期限を入力する。

試験日程(各国のページを参照)
http://ac.prometric-jp.com/testlist/jfe/index.html

日本で介護の仕事に就くためには、主に4つのルートがある。現在日本国内にいるのか、海外にいるのか。日本語のレベルや、介護経験はどうか。人によって最適なルートは異なるので、今回の記事を参考に、介護士としての就職を目指してみてほしい。高齢化が進む中、日本語と介護の知識を身につけた外国人は、これまで以上に貴重な働き手だ。

※掲載している情報は、記事公開時点のものです。